メイクアップフォーエバーが美意識の高い人に支持される2つの理由
今回取り上げるブランドはメイクアップフォーエバー(MAKE UP FOR EVER)。日本では27店舗展開、2017年には銀座に旗艦店もオープンしており、美容感度の高いmake.du読者ならご存知の方も多いのではないでしょうか?
日本では知名度の高いブランドではないのですが、世界一のラグジュアリーブランドカンパニーであるLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループのネットワークとパリと上海で運営するメイクアップ教育機関であるメイクアップフォーエバー アカデミーのネットワークを活かし、虎視眈々と世界1のコスメティックカンパニーの地位を狙っているブランドです。メイクアップフォーエバーはすでに中東ではNo.1ブランドとして地位を確立しており、アジア市場での展開も活発化している注目のブランドです。
ちなみに、中東と言えば、目以外を覆ったヒジャブを被った方も多く、中東とメイクの組み合わせに疑問を持つ方も多いかもしれません。一方で、中東は文化的にも美意識の高い人が多いと言われています。そんな美意識の高い女性が多い中東でのメイクアップフォーエバーの快進撃の背景に、このブランドの強みが隠されているのです。今回は、なぜ中東でメイクアップフォーエバーがシェアを高めているのか、説明していきたいと思います。
Contents
ブランド概要
メイクアップフォーエバーは、美術専攻であったダニー・サンズがその夫ジャックと共に、1984年にパリにてプロのメイクアップアーティストの様々なニーズに応えるために設立されました。現在は設立から約40年でLVMH傘下となり、60カ国以上の国で展開、3200以上の販売拠点を持つ世界有数のコスメティックブランドに成長しました。
他のブランドと比較すると、特定のカテゴリー(ファンデーション・アイシャドウ・リップスティック)においてバラエティーに富んだ商品ラインナップを展開しているブランドと言えます。アイシャドウは104色の展開、リップスティックはマット、クリーム、ライトなど、さまざまな質感が揃い、ボディペインティングや特殊効果用のアイテムも展開しています。その数700品番を越えるほど。
創業ストーリー
1980年代、メイクアップの世界は、製品数が少なく、色調も限られていることから表現の幅が狭まり、創造性に欠けていました。そこでダニーは、芸術作品の制作に使用する多彩な色を調合するパレット(ファインアートのパレット)をメイクアップパレットに転用したのです。このアイディアは画期的で、複数の色を組み合わせることで、色彩を無限に増やすことができ、多くのプロメイクアップアーティストがこのアイディアを模倣しました。美術専攻だった彼女だからこそ、多くの色彩が生まれ、104種類ものアイシャドウやアイメイクアイテムが誕生したのです。
「今年創業40周年。動画の中でダニー・サンズのクリエイションを垣間見れる」
また、プロダクト制作に限らず、プロフェッショナルなメイクアカデミーにも力を入れてきました。過去40年に渡ってメイクアップの技術を教え続け、何世代ものメイクアップアーティストにインスピレーションを与えています。
「プロメイクアップアーティスト集団が革新的な製品の開発に挑戦している」
メイクアップフォーエバーの製品はどれも本格的ですが、メイクアップはあくまで楽しむ為にあるものです。ロングラスティングかつシンプルな製品を高い技術で応用し、無限の色を想像することで自由な世界を創りたかったのです。メイクアップがインスピレーションの源となり、人々の可能性を広げることを目指しました。
という彼女のメッセージはとてもクリエイティブを刺激する言葉ですね。
「パリファッションウイークでのKENZOのバックステージメイクを担当」
中東でNo1ブランドになった2つの理由
ここまで、メイクアップフォーエバーの歴史や創業者の創意工夫について説明してきましたが、冒頭で紹介した「中東でマーケットシェアNo1」になった2つの理由について説明していきます。
①多様な色展開
まず、中東の女性はヒジャブで目元以外を全て隠すことが基本となっています。一見、メイクアップ需要は高くないように思われますが、中東の女性は美しさに対する高い基準を持っており、肌の色彩やアイメイクを重視します。そのため、アイメイクは自己表現を行う手段としてとても重要な役割を担っております。メイクアップフォーエバーの多様な色展開はこの中東の文化にマッチしているのです。
②機能性の高さ
次に、中東の気候は非常に暑く乾燥しているため、機能性の高さが求められます。メイクアップフォーエバーの商品は演劇やファッションショーのバックステージの過酷な環境に耐えることができるように企画されており、中東でも問題なく使用することができるのです。
人気商品
メイクアップフォーエバーの人気商品には、以下のようなアイテムがあります。
ウルトラHDルースパウダー
軽いつけ心地で、肌を滑らかに見せるルースパウダー。
HDスキンファンデーション
自然な仕上がりで、長時間持続するリキッドファンデーション。
アクアレジスト スモーキーシャドウ
ウォータープルーフで長持ちするクリームアイシャドウ。
アクアレジスト カラーペンシル
鮮やかな発色と持続力が特徴のアイライナー。
ルージュアーティストシリーズ
豊富なカラー展開のリップスティック。
最後に
1984年、M・A・Cと同じ年にメイクアップ業界に革命をもたらしたブランドが誕生しました。メイクアップフォーエバーは日本では知名度が劣るものの、商品の機能性やラインナップは世界一のブランドであると言っても過言ではありません。2023年には、親会社のグループブランドであるルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のチーフ・デジタル・オフィサー シャルルアンリ・ルヴァイヤン氏を新社長として起用し、日本を含むアジアマーケットでの地位確立を目指しているブランドなので、今後の展開が楽しみなブランドではないでしょうか。
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